札幌ダンマサークル: 11月 2013

2013年11月23日土曜日

遅くなりましたが 9月にスマナサーラ長老がいらっしゃった際のレポートです
日本テーラワーダ仏教協会の「パティパダー 12月号」に掲載いただいたものの転記です

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今回で5度目になりますが、9月28日から29日にかけてスマナサーラ長老が札幌にお越しになり、メインの講演会と冥想指導、市内のクリニックで主にがん患者さんを対象にしたセミオープンの講演会、加えて札幌のダンマサークルメンバーとの交流と、お休みになる間もなく多くの方々に貴重なお話をされました。幸いいずれのイベントにも参加できることができましたので、簡単にこの2日間のレポートをいたします。

<沈みかけた船と ピストルを突きつけられて金庫を開ける 二つの喩え>
 28日午後は、西区にある「癒しの森内科・消化器科クリニック」にお越しになりました。こちらは一般的な内科診療のかたわら、がんの統合医療に力を注いでおられる内科医の小井戸均先生が開設されている医院で、長老も2度目の訪問です。我々がいつもお世話になっている石飛道子先生も交えて鼎談の形式ですすめられました。
これまで数千人の死を看取ってこられた小井戸先生からの、「死とは何か、生とは何か」という、想定はされたとは言え重みのある問いかけに対し、長老は生老病死についての仏教の見かた、考え方をわかりやすく説かれたのですが、「沈みかけた船の中にいて、死ぬのはほぼ間違いないが、目の前においしい食べ物やら、楽しそうなものがたくさんある。『ああ、もう死んでしまう!どうしよう!』と嘆き騒ぎますか?それとも楽しみますか?」と喩えられたのが印象的でした。心の底から明るい考え方で生きましょう。何に対してでも慈しみの心を持って、可愛らしいと思って明るく生きていきましょう。という結論で、受講されている患者さんたちも笑いながら頷いていらっしゃいました。
 29日、メインの講演会のテーマは「智慧の道を学んで笑って生きよう~ユーモア力をみがく~」こちらもお話の中で、「生きとし生けるものは『原始脳』に支配されて、常に存在欲と強い恐怖心から生まれる感情に左右されている。ピストルを突きつけられて、金庫を開けろと脅されているようなものだ。開けなければ殺されるだろうが、開ければ、その責任は取らなければならない。このような生き方は智慧のある生き方ではないし、これでは笑って生きられない」と喩えられ、ヴィパッサナーにより脳を開発して、感情ではなく理性で生きることが重要だと説かれました。こちらは笑えるようなところではなく、受講の方々も真剣にお聞きになっていました。

<バナナとイチロー選手 非公式な場面で>
 初日の夜は、札幌ダンマサークルの会合に特別にご参加いただきました。年に1度だけ札幌にいらっしゃるのだからと、事務局の佐藤さまのご厚意で実現したもので、初めての試みでもあり、メンバーもうれしさと緊張が交錯する中で始まりましたが、あらかじめ用意しておいた種々雑多な質問にも懇切丁寧にお答えいただき、ひと段落した後は集合写真を撮ってもらったり、著書にサインをいただいたり、ただのベストセラー作家のサイン会になってしまいました。まあ、あながち間違いでもないのでしょう。お許しください。
これまでも企画運営等の実務に関しては、市内でヨガスクール等を経営されているFE.ヨガライフ協会さんが仕事としてしっかり運営されているのですが、今回は送迎や、当日の比較的簡単な業務をダンマサークルでもボランティアでお手伝いさせていただきました。

そんなわけで、私も移動時の車中、昼食時等、ずいぶん長い時間ご一緒させていただいたのですが、そばにいるだけで、自分の心が洗われているような充実感を感じていました。長老からは、それこそ「洗脳」されていますね、とお叱りを受けてしまいますが。
「バナナは人間に依存して種を保存しているので、遠慮しないで食べていいですよ」はお昼を一緒にいただきながらの中で、「イチローの集中力はすごいですね」は車中でプロ野球の話題になったときに口にされたことです。内容としては、ほんとに他愛ない世間話なんですけど。

そんなわけで、我々札幌ダンマサークルにとっては、あっという間に過ぎ去ったまさに夢のような2日間でした。また次回もご一緒させていただけるよう、イチロー選手にはおよばずとも、バナナを食べて集中して精進して参りたいと思っております。

最後になりましたが、この場をお借りして長老、佐藤さま、小井戸先生、石飛先生、ヨガライフ協会の皆さまに御礼申し上げます。ありがとうございました。

生きとし生けるものが幸せでありますように

2013年11月18日月曜日

11月17日(日)

 先週一旦積もった雪もすっかり溶けて 秋に逆戻りしたような(まだ 秋ですか?)好天の中 11月の月例会がありました またまた危うく女人禁制のサークルになりかけたのですが 幸い初参加の方2名が女性で一安心 でした

 今月からは 場所も2年間お世話になった底冷えのカラオケルームから まったりと和室に移って 気持ちも新たに礼拝文の唱和~ヴィパッサナー冥想までを行い これは先月に引き続き 地元の銘菓(=夕張郡栗山町の栗饅頭)をいただきながらの茶話会となりました (栗山町には栗饅頭の製造元が2社あります ファイターズ監督のシーズン中の拠点です 北海道では常識です ちゃんと宣伝しときましたよ 2ヶ月連続スポンサーのUさん!

 というわけで 新しい方が加わると 自然に基本的な話題が多くなるわけですが 今回はお2人とも不飲酒戒の存在をご存知なかったようで 世間では女性が攻撃側で 男性が防戦一方になりがちな飲酒の功罪について 攻守を入れ替えた形での説得?論戦?が展開されました
 もちろん仏教で飲酒が容認されることはありえないのですが とは言え もともと大酒飲みだった自分を含め 他のメンバーでも 断酒には一苦労した人が少なくないようで「まあ できれば飲まないほうが 心にも体にもいいですよ~」なんて 鈍りがちな矛先ではありました 強制できるものでもないし 結局はご本人の気づきにお任せするしかありませんね   


今月の参加 9名